第276回プラスチック技術講演会
主催:プラスチック技術協会
後援:(地独)大阪産業技術研究所
研究成果および関連技術 14時30分 ~ 15時45分
「炭素繊維/アクリル樹脂複合材料の構造制御による高強度 化・強靭化」
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は軽量かつ高 強度・高弾性率という特性を有し、金属に代わる材料として注目されています。本講演では、まず連続繊維で強化された複合材料の物性発現についての基本 的な原理についてマトリックス樹脂に焦点を当てて説明します。次いで、マトリックス樹脂に用いるアクリル樹脂の構造を制御することでCFRPの機械的 特性を向上させることに成功した研究の成果を報告します。アクリル樹脂に官能性モノマーを共重合させることにより炭素繊維/樹脂の界面接着性が改善さ れ、曲げ強度・疲労特性が向上しました。また、アクリルモノマーとウレタンプレポリマーを同時に重合し、ポリマーブレンド化することで強靭化にも成功 しました。
新製品・新技術紹介 16時00分~17時00分
「カールフィッシャー水分計の原理とプラスチックに関わる水分の分析事例の紹介」
カールフィッシャー滴定を用いた水分分析(KF
法)は、水と選択的に反応するカールフィッシャー(KF)試薬を使用し様々な工業製品に含まれる水分を、簡便に且つ正確に定量することができる分
析方法です。ヨウ素が水と化学量論的に反応することを利用して試料中の水分を定量します。KF法にはKF試薬を滴定して試料水分を分析する容量
法、電気分解により発生させたヨウ素を利用する電量法、試料を加熱し発生する水蒸気を測定セルに吹き込み水分を分析する気化法があります。これら
の測定方法の原理や特徴を説明し正確な測定を実現できる方法をご提案します。また、プラスチック試料の評価に役立つ京都電子工業の分析装置もご紹
介いたします。
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(地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター内 プラスチック技術協会事務局 前田 宛